第20話 流体と配管

タオカくんはしっかり先輩しているようだね。
今回タオカくんがヲシノさんに配管材について説明していたね。
第1話「配管って何だろう」でもしっかり解説しているからそっちも見てね。

第1話「配管って何だろう」

今回の話から何回かに分けて配管材のおさらいをしていくから一緒に復習していこう!

第19話 初めての後輩

遂にタオカくんも先輩だね~。

今まで学んできたことを思い返しながら後輩に引き継ぐことは大変だけど、それもまた勉強だから頑張って後輩の指導をしていこう!

第18話 フランジの呼び圧力

「フランジの呼び圧力」

呼び圧力とは、流体が何℃の時に何MPaの圧力まで使用できるかを記号「K」で表したものである。
5K、10K、16K、20K、30K、40K、63Kまで規定があり、数字が大きくなるにつれ
使用可能圧力も高くなる。
その際、強度の確保はフランジの板厚を厚くすることで行っている。
実際には流体の温度・圧力の条件から呼び圧力を参照し、フランジの形状・材質が選定される。

化学プラントで使用されるフランジは、ほとんどの場合10Kのフランジである。
30K以上の呼び圧力はボイラー等の、高温高圧になる配管で使用される場合が多い。

10Kは何MPaまでの流体に対応しているんだっけ?なんて迷ったときは、目安として呼び圧力×0.1MPaで考える事もできる。

5K→0.5Mpa
10K→1MPa
16K→1.6MPa

ただし、これはあくまで目安の話で実際は流体の温度条件によっては、JIS規格上で20Kのフランジでも最高使用圧力が3MPaを超えて規定されている場合もあるんだ。

今回よ~く見てフランジの厚みが違う事に気付いたタオカくんみたいに、JISなんかの規格資料はよ~く見てみよう。

第17話 フランジの形状

「フランジの形状」

フランジのシート面(ガスケットを挟み込む箇所)の形状にはFF(Flat Face)とRF(Raised Face)があるが、パイプとの接続側にも同じようにいくつかの形状がある。
主に使用されるJISのフランジには以下の形状がある。

  • スリップオン溶接式フランジ
    板フランジ…SOP(Slip on Plate)
    ハブフランジ…SOH(Slip on Hub)
  • ソケット溶接式フランジ…SW(Socket Weld)
  • 遊合形フランジ…LJ(Lap Joint)
  • 突合せ溶接式フランジ…WN(Welding Neck)
  • ねじ込み式フランジ…TR(Threaded flange)
  • 閉止フランジ…BL(Blind Flange)

溶接式フランジと呼ばれるものは、基本的に流体仕様と加工性により選定される。
遊合形は溶接が難しい場合や、コストを抑えたい場合に使用されることが多い。
また、閉止フランジは配管の経路を塞いでおきたい場合に使用する。

今回はフランジの形状についてのお話だったね。
フランジって何だっけ?って人は7話を読み返してみよう!

今回はJIS※1に規定されている配管に使われる溶接式フランジの形状を挙げたけど、配管に使われているもの以外でも『フランジ』と名前がついていれば近い形をしていることがあるから、接合されているものを見たらどの形状なのか想像してみるのも面白いかもね。

※1.JIS(日本工業規格)は令和元年7月1日よりJIS(日本産業規格)と改められました。

第16話 ボルト・ナット

「ボルト・ナット」

配管材としてのボルト・ナットは主にフランジの締結に使用される。
フランジのサイズとガスケットの厚みによってボルト・ナットのサイズが決まり、流体のレーティングや使用環境により材質が選定される。

フランジ締結に使用されるボルトは主に、六角ボルトと寸切りボルト(もしくはスタッドボルト)の2種類で、ナットはどちらも六角ナットを使用する。
国内で使用するボルトは基本メートルネジ・ミリネジと呼ばれる規格のネジ山になっている。線径がφ10のメートルネジのボルトはM10と表す。

サイズについてもう少し詳しく説明するよ。
上にも書いてある通り、メートルネジのボルトサイズはM〇〇と書くんだけど、これだけだと長さが分からないよね?
だから、この後ろに長さを表す〇〇Lを付けてM〇〇×〇〇Lと書くんだ。
例えば、ボルトの太さが12㎜で長さが50㎜とすると、M12×50Lとなるよ。

ボルトはホームセンターにも置いてあるけど、最近はボルトやナットサイズを確認する為のサンプルが置いてある事も多くなったね。
昔は相手側のボルトやナットを持って行って、その場でねじ込んでサイズを確認していたなぁ…

第15話 フランジの相棒・ガスケット

「ガスケット」

ガスケットは静止部分に使用され、配管の継手と継手の隙間へ挟み込んで、その隙間を密閉・密封(シール)するものである。

ガスケットの種類は流体の特性や温度・圧力等の使用条件によって細かく分類されており、ゴムやテフロン、金属等の材料が使用される。
材料ごとに大きく分類するとソフトガスケット、セミメタルガスケット、メタルガスケットとなる。

一般にシールを目的としたものをパッキンやガスケットって呼ぶんだ。
ガスケットは初めて聞くかもしれないけどパッキンなら一度は聞いたことがあるかもしれないね。
パッキンって言うのは回転するものや往復するものなどの動く部分に使われているものを指すんだよ。
身近なとこで言えば圧力鍋の蓋に使われていたり、お弁当箱の蓋にも使われているものがあるね。

逆にガスケットは動かない部分に使われているものを指すんだ。
だから、普段目にする機会はあまりないかな。
実はみんなが乗っている車のエンジンやマフラーの継目に使われていたりするんだよ。

第14話 家にもあるぞ塩ビ配管

「塩ビ管」

「塩ビ」とは「ポリ塩化ビニル」の略称でプラスチックの一種である。
特徴として劣化しにくく耐久性があり、他のプラスチックが可燃性であるのに対し、塩化ビニルは燃えにくい難燃性である。
また、広範囲の耐薬品性に優れ、ほとんどの酸・アルカリ・塩類等に耐性がある。

塩ビ管には、大きく分けてVP管とVU管がある。
もとはVP管だけだったが、VP管より薄くても使用可能な用途向けの配管材としてVU管が作られた。

VP管は一般的に圧力のかかる給排水や空調の配管に広く使用される。
VU管は主に排水用途に使用されており、圧力のかからない空調の配管にも使用される。

金属製の継手と同じように塩ビ管にも塩ビ製の継手があるんだよ。
金属の継手は溶接やネジでくっつけるけど、塩ビ管は接着剤を使うから作業が簡単で、やろうと思えば家の中でも自分で配管ができちゃうんだ。
ただ今回みたいなことが起きたら、自分でやろうとせずにきちんと業者さんを呼ぼうね!

第13話 間違えちゃダメ、規格を確認しよう

「フランジの規格」

日本で主に使用されるフランジ継手の規格にはJIS「日本工業規格」(Japanese Industrial Standards)とJPI「日本石油学会」(Japan Petroleum Institute)がある。
JISは一般に広く使用されている規格であり、JPIは主に石油工業関係で使用されている規格である。

フランジのサイズを表す呼び径は、JISではA呼称、JPIではB呼称が主に使用される。
また、呼び径とは別に呼び圧力と呼ばれるものがあり、呼び圧力は流体の温度と圧力から決定され、JISでは10K、20K…、JPIではクラス150、300…と表される。

同じ条件で使用でき、外観形状の似ているフランジ同士でも、基本的にJISとJPIでは寸法に若干の違いがある為、互換性はなく代替することはできない。

JISの呼び圧力10Kの「K」は「ケー(ケイ)」と読むんだけど、一般的には言いやすい「キロ」って呼んでるんだ。
JPIの方も、クラス150は「150Lb」と書いて、「150ポンド」って呼んだりするよ。
ガス管の時と同じように、みんな言いやすい呼び方を選んじゃうんだよね。

第12話 パイプ工場にやってきた その2

「パイプの製造その2」

配管用鋼管は製造方法によって大きく2つに分類される。
継ぎ目が無いシームレス(継目無し)鋼管と、板を円形に丸め両端を溶接して管に加工する電縫鋼管である。
作中にあるマンドレルミル方式によって製造されたものはシームレス鋼管にあたる。
シームレス鋼管は文字通り継ぎ目が無い為、電縫鋼管と比べ高い圧力での使用に適している。

鋼管の外面にはステンシルと呼ばれる、種類やサイズを表す刻印が打たれる。
シームレス鋼管を「S」、電縫鋼管を「E」と表記し、ステンシルではSTPG370-SやSGP-Eと刻印されている。

鋼管には決められた長さ、5.5mと4mがあって、それを定尺と呼ぶんだ。
なぜその長さになっているかと言うと、昔の鋼管メーカーの最大製造寸法が11mで、配送面を考慮して半分の5.5mに決められたと言われているんだよ。
その後、5.5mでは配送や作業効率などから、時代に合わなくなったとする声が出はじめて、4mも追加されたと言われているよ。

第11話 パイプ工場にやってきた その1

「パイプの製造その1」

パイプの原料である鉄鋼を製造するには高炉を使用する方法と電気炉を使用する方法がある。 高炉は鉄鉱石から製鉄し、電気炉は鉄スクラップから製鉄するという違いがある。

2019年時点で、日本において高炉を所有している鉄鋼メーカーは4社のみである。
高炉・電気炉問わず世界の鉄鋼メーカーの中での鉄鋼生産量上位に日本のメーカーが含まれている。

今回のお話に出てきた設備によって鉄(炭素鋼)は作られるんだけど、成分を調整することによって別の材質、例えば前に話したステンレス(合金鋼)なんかも作られるんだ。

タオカくんが涼しい顔でできあがったビレットを見ているけど、あの場所はまだ熱いままの鉄が流れてくるから、離れてはいるけど顔に熱気を感じるくらい熱いんだよ。

次回は、いよいよ作られたビレットがパイプに変わっていくよ。

第10話 配管って、面白いかもしれないぞ

「閑話休題」

今回は僕も少し休憩だ。
タオカくんも少しずつ仕事に慣れてきたみたいだけど、まだまだ色んなことが起きそうだね。
先輩たちが言っていたけどガスケットやボルト、JPIのフランジ、塩ビの継手なんて単語が出てきていたね。

ガスケットは前に少しだけお話の中に登場したし、ボルトは皆も知っていると思うけど、JPIのフランジや塩ビの継手なんかはどうかな?

これからもタオカくんへ教えることが沢山あるから、皆も一緒に学んでくれると嬉しいな。

これからも「マンガでわかる配管基礎知識」をよろしくね♪

第9話 バルブの種類と役割

「バルブの種類」

バルブには構造の違いによってゲートバルブ、グローブバルブ、チャッキバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ等がある。
5種類の内、チャッキバルブ以外は基本的にハンドルで操作して開閉を行う。

ゲートバルブ(Gate Valve、仕切弁)…円盤(ディスク)をスライドさせ流路を門のように遮断することにより開閉を行う。基本的に全開全閉の場所で使用し、主に止めていた水などを一気に流すという用途で使用される。
グローブバルブ(Globe Valve、玉形弁)…中心にある栓を上下させ開閉を行う。この構造により流体の流れる量を調整しやすくなっており、水道の蛇口等がこのバルブにあたる。
ボールバルブ(Ball Valve)…中心に穴の開いたボールが入っている為ボールバルブと呼ぶ。ボールを90度回転させるだけで開閉を行える為、開閉頻度の多い場所に使用される。また、構造上非常に漏れにくく、最も広範囲の用途に使用される。
チャッキバルブ(Check Valve、逆止弁)…逆流を防ぎ常に流体の流れを一定方向に保つ為に使用される。
バタフライバルブ(Butterfly Valve、蝶形弁)…ボールバルブと構造は似ており円盤(ディスク)を90度回転させることによって開閉を行う。この動きが蝶のようなのでバタフライバルブと呼ぶ。コンパクトで軽いバルブの為、スペースの制限された場所で使用される。

全ての用途に合うバルブというものは存在せず、それぞれの用途によって使い分けされている。

今回紹介したのは5種類のバルブだけだけど、まだまだ色んな種類があるよ。

流体を制御する為には絶対にバルブは必要になるから、どんな配管でも必ずどこかにバルブは使われているんだ。
普段何気なく使っているものにもバルブが使われているかもしれないね。

第8話 バルブってどんなもの

「バルブ」

流体を通したり、止めたり、制御したりするため、通路を開閉することのできる機器のことをバルブ、または弁と呼ぶ。

配管上に継手を用いて接続する為、継手と同様に主な接続方法としてねじ込み式、溶接式、フランジ式がある。
バルブも用途によって様々な種類があり、流体の特性によって様々な材質により製作される。

僕たちの生活の中にも広く使われているバルブだけど、実はバルブの起源はとても古くて、紀元前1000年頃の古代エジプトの遺跡から樽についていた木製のコック(栓)が発掘されているんだ。
こんな感じだったのかな?

そんなバルブにもたくさんの種類があるから、次回はバルブの種類について紹介するよ!

第7話 フランジ接続、英語でFLANGE

「フランジ」

継手の一種で、パイプや管継手などの部材を繋ぐ際に使われる円盤状のものをフランジと呼ぶ。
パイプもしくは管継手などと主に溶接で接合し、フランジ同士をボルトなどで締結することで配管材同士を繋ぎ合わせる。

流体の圧力・温度によって様々な形状があり、流体の特性によって様々な材質により製作される。
基本的には接合する配管材と同じ材質が使われる。

継手は用途によって形状が異なっていたけど、フランジは流体の条件(圧力や温度のことだね)によって使う形状が変わるよ。

この写真にあるものも全部フランジなんだよ。

形状はそれぞれ呼び名も含めて規格で定められているんだけど、それはまた別の機会にしよう!

第6話 継手の「継ぎ方」には種類があるよ

「管継手の接続方法」

一般的に広く使われている管継手の接続方法は大きく「ねじ込み式」「溶接式」「フランジ式」の3つに分けられる。

それぞれの接続方法に特徴があり、「ねじ込み式」であれば現場での作業が可能であったり、
「溶接式」は高い圧力が掛かるなどの悪条件に対応出来たり、「フランジ式」であれば、取り外しや交換などのメンテナンス性に優れているといったように、用途や必要な条件によって接続方法も変わってくる。

また、配管の経路内に様々な機器を取り付ける際は、機器ごとに接続方法が変わる事もある為、配管経路内に複数の接続方法が混在する事も多々ある。

必ずしも単一の接続方法だけでは配管が成立しないということを覚えておきたい。

今回は、大きく3つの接続方法が出てきたけど、普段目にする配管はほとんど3つの接続方法が使われているはずだよ。
今回出てきた接続方法の他にも「食い込み式」や「メカニカル式」「ハウジング式」なんて言われる接続方法もあるんだ。

もちろん、どの接続方法にも得意不得意な用途や条件があるから、「この接続方法なら何に使っても大丈夫で安くて簡単!?」なんて便利なものは残念ながら今のところは無いんだ。

その内、そんな夢の様な接続方法が出てきたら、もっと便利になるかも知れないね。

第5話 継手のカタチもいろいろ

「継手」

継手(つぎて)とは2つの部材を接合する構造の総称で、とくに配管に使用する継手を管継手(かんつぎて)と呼ぶ。
管継手は配管材同士を繋いだり、配管の向きを変えたり、分岐したり、広げたり、止めたりするために使用する。

管継手の名前は見た目からそのまま付けられたもの、用途でつけられたものがあるよ。
使い方も見た目からなんとなく想像できるんじゃないかな。
異径チーズやレジューサーなんかは配管のサイズを変える時に使われるから、出口と入り口でサイズが違うんだ。
名前の由来はこんな感じ!

チーズ⇒T字という意味の英語「Tee」から
エルボ⇒肘という意味の英語「Elbow」から
キャップ⇒蓋という意味の英語「Cap」から
レジューサー⇒減らすという意味の英語「Reduce」から

パイプと管継手を組み合わせることによって、決まったスペースの中で配管が収まるようにして、配管の設計図を作る人が組み合せを考えているんだ。