16話「ボルト・ナット」

「ボルト・ナット」

配管材としてのボルト・ナットは主にフランジの締結に使用される。
フランジのサイズとガスケットの厚みによってボルト・ナットのサイズが決まり、流体のレーティングや使用環境により材質が選定される。

フランジ締結に使用されるボルトは主に、六角ボルトと寸切りボルト(もしくはスタッドボルト)の2種類で、ナットはどちらも六角ナットを使用する。
国内で使用するボルトは基本メートルネジ・ミリネジと呼ばれる規格のネジ山になっている。線径がφ10のメートルネジのボルトはM10と表す。

サイズについてもう少し詳しく説明するよ。
上にも書いてある通り、メートルネジのボルトサイズはM〇〇と書くんだけど、これだけだと長さが分からないよね?
だから、この後ろに長さを表す〇〇Lを付けてM〇〇×〇〇Lと書くんだ。
例えば、ボルトの太さが12㎜で長さが50㎜とすると、M12×50Lとなるよ。

ボルトはホームセンターにも置いてあるけど、最近はボルトやナットサイズを確認する為のサンプルが置いてある事も多くなったね。
昔は相手側のボルトやナットを持って行って、その場でねじ込んでサイズを確認していたなぁ…

第15話 フランジの相棒・ガスケット

「ガスケット」

ガスケットは静止部分に使用され、配管の継手と継手の隙間へ挟み込んで、その隙間を密閉・密封(シール)するものである。

ガスケットの種類は流体の特性や温度・圧力等の使用条件によって細かく分類されており、ゴムやテフロン、金属等の材料が使用される。
材料ごとに大きく分類するとソフトガスケット、セミメタルガスケット、メタルガスケットとなる。

一般にシールを目的としたものをパッキンやガスケットって呼ぶんだ。
ガスケットは初めて聞くかもしれないけどパッキンなら一度は聞いたことがあるかもしれないね。
パッキンって言うのは回転するものや往復するものなどの動く部分に使われているものを指すんだよ。
身近なとこで言えば圧力鍋の蓋に使われていたり、お弁当箱の蓋にも使われているものがあるね。

逆にガスケットは動かない部分に使われているものを指すんだ。
だから、普段目にする機会はあまりないかな。
実はみんなが乗っている車のエンジンやマフラーの継目に使われていたりするんだよ。

第14話 家にもあるぞ塩ビ配管

「塩ビ管」

「塩ビ」とは「ポリ塩化ビニル」の略称でプラスチックの一種である。
特徴として劣化しにくく耐久性があり、他のプラスチックが可燃性であるのに対し、塩化ビニルは燃えにくい難燃性である。
また、広範囲の耐薬品性に優れ、ほとんどの酸・アルカリ・塩類等に耐性がある。

塩ビ管には、大きく分けてVP管とVU管がある。
もとはVP管だけだったが、VP管より薄くても使用可能な用途向けの配管材としてVU管が作られた。

VP管は一般的に圧力のかかる給排水や空調の配管に広く使用される。
VU管は主に排水用途に使用されており、圧力のかからない空調の配管にも使用される。

金属製の継手と同じように塩ビ管にも塩ビ製の継手があるんだよ。
金属の継手は溶接やネジでくっつけるけど、塩ビ管は接着剤を使うから作業が簡単で、やろうと思えば家の中でも自分で配管ができちゃうんだ。
ただ今回みたいなことが起きたら、自分でやろうとせずにきちんと業者さんを呼ぼうね!

第13話 間違えちゃダメ、規格を確認しよう

「フランジの規格」

日本で主に使用されるフランジ継手の規格にはJIS「日本工業規格」(Japanese Industrial Standards)とJPI「日本石油学会」(Japan Petroleum Institute)がある。
JISは一般に広く使用されている規格であり、JPIは主に石油工業関係で使用されている規格である。

フランジのサイズを表す呼び径は、JISではA呼称、JPIではB呼称が主に使用される。
また、呼び径とは別に呼び圧力と呼ばれるものがあり、呼び圧力は流体の温度と圧力から決定され、JISでは10K、20K…、JPIではクラス150、300…と表される。

同じ条件で使用でき、外観形状の似ているフランジ同士でも、基本的にJISとJPIでは寸法に若干の違いがある為、互換性はなく代替することはできない。

JISの呼び圧力10Kの「K」は「ケー(ケイ)」と読むんだけど、一般的には言いやすい「キロ」って呼んでるんだ。
JPIの方も、クラス150は「150Lb」と書いて、「150ポンド」って呼んだりするよ。
ガス管の時と同じように、みんな言いやすい呼び方を選んじゃうんだよね。

第12話 パイプ工場にやってきた その2

「パイプの製造その2」

配管用鋼管は製造方法によって大きく2つに分類される。
継ぎ目が無いシームレス(継目無し)鋼管と、板を円形に丸め両端を溶接して管に加工する電縫鋼管である。
作中にあるマンドレルミル方式によって製造されたものはシームレス鋼管にあたる。
シームレス鋼管は文字通り継ぎ目が無い為、電縫鋼管と比べ高い圧力での使用に適している。

鋼管の外面にはステンシルと呼ばれる、種類やサイズを表す刻印が打たれる。
シームレス鋼管を「S」、電縫鋼管を「E」と表記し、ステンシルではSTPG370-SやSGP-Eと刻印されている。

鋼管には決められた長さ、5.5mと4mがあって、それを定尺と呼ぶんだ。
なぜその長さになっているかと言うと、昔の鋼管メーカーの最大製造寸法が11mで、配送面を考慮して半分の5.5mに決められたと言われているんだよ。
その後、5.5mでは配送や作業効率などから、時代に合わなくなったとする声が出はじめて、4mも追加されたと言われているよ。

第11話 パイプ工場にやってきた その1

「パイプの製造その1」

パイプの原料である鉄鋼を製造するには高炉を使用する方法と電気炉を使用する方法がある。 高炉は鉄鉱石から製鉄し、電気炉は鉄スクラップから製鉄するという違いがある。

2019年時点で、日本において高炉を所有している鉄鋼メーカーは4社のみである。
高炉・電気炉問わず世界の鉄鋼メーカーの中での鉄鋼生産量上位に日本のメーカーが含まれている。

今回のお話に出てきた設備によって鉄(炭素鋼)は作られるんだけど、成分を調整することによって別の材質、例えば前に話したステンレス(合金鋼)なんかも作られるんだ。

タオカくんが涼しい顔でできあがったビレットを見ているけど、あの場所はまだ熱いままの鉄が流れてくるから、離れてはいるけど顔に熱気を感じるくらい熱いんだよ。

次回は、いよいよ作られたビレットがパイプに変わっていくよ。

第10話 配管って、面白いかもしれないぞ

「閑話休題」

今回は僕も少し休憩だ。
タオカくんも少しずつ仕事に慣れてきたみたいだけど、まだまだ色んなことが起きそうだね。
先輩たちが言っていたけどガスケットやボルト、JPIのフランジ、塩ビの継手なんて単語が出てきていたね。

ガスケットは前に少しだけお話の中に登場したし、ボルトは皆も知っていると思うけど、JPIのフランジや塩ビの継手なんかはどうかな?

これからもタオカくんへ教えることが沢山あるから、皆も一緒に学んでくれると嬉しいな。

これからも「マンガでわかる配管基礎知識」をよろしくね♪

第9話 バルブの種類と役割

「バルブの種類」

バルブには構造の違いによってゲートバルブ、グローブバルブ、チャッキバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ等がある。
5種類の内、チャッキバルブ以外は基本的にハンドルで操作して開閉を行う。

ゲートバルブ(Gate Valve、仕切弁)…円盤(ディスク)をスライドさせ流路を門のように遮断することにより開閉を行う。基本的に全開全閉の場所で使用し、主に止めていた水などを一気に流すという用途で使用される。
グローブバルブ(Globe Valve、玉形弁)…中心にある栓を上下させ開閉を行う。この構造により流体の流れる量を調整しやすくなっており、水道の蛇口等がこのバルブにあたる。
ボールバルブ(Ball Valve)…中心に穴の開いたボールが入っている為ボールバルブと呼ぶ。ボールを90度回転させるだけで開閉を行える為、開閉頻度の多い場所に使用される。また、構造上非常に漏れにくく、最も広範囲の用途に使用される。
チャッキバルブ(Check Valve、逆止弁)…逆流を防ぎ常に流体の流れを一定方向に保つ為に使用される。
バタフライバルブ(Butterfly Valve、蝶形弁)…ボールバルブと構造は似ており円盤(ディスク)を90度回転させることによって開閉を行う。この動きが蝶のようなのでバタフライバルブと呼ぶ。コンパクトで軽いバルブの為、スペースの制限された場所で使用される。

全ての用途に合うバルブというものは存在せず、それぞれの用途によって使い分けされている。

今回紹介したのは5種類のバルブだけだけど、まだまだ色んな種類があるよ。

流体を制御する為には絶対にバルブは必要になるから、どんな配管でも必ずどこかにバルブは使われているんだ。
普段何気なく使っているものにもバルブが使われているかもしれないね。

第8話 バルブってどんなもの

「バルブ」

流体を通したり、止めたり、制御したりするため、通路を開閉することのできる機器のことをバルブ、または弁と呼ぶ。

配管上に継手を用いて接続する為、継手と同様に主な接続方法としてねじ込み式、溶接式、フランジ式がある。
バルブも用途によって様々な種類があり、流体の特性によって様々な材質により製作される。

僕たちの生活の中にも広く使われているバルブだけど、実はバルブの起源はとても古くて、紀元前1000年頃の古代エジプトの遺跡から樽についていた木製のコック(栓)が発掘されているんだ。
こんな感じだったのかな?

そんなバルブにもたくさんの種類があるから、次回はバルブの種類について紹介するよ!

第7話 フランジ接続、英語でFLANGE

「フランジ」

継手の一種で、パイプや管継手などの部材を繋ぐ際に使われる円盤状のものをフランジと呼ぶ。
パイプもしくは管継手などと主に溶接で接合し、フランジ同士をボルトなどで締結することで配管材同士を繋ぎ合わせる。

流体の圧力・温度によって様々な形状があり、流体の特性によって様々な材質により製作される。
基本的には接合する配管材と同じ材質が使われる。

継手は用途によって形状が異なっていたけど、フランジは流体の条件(圧力や温度のことだね)によって使う形状が変わるよ。

この写真にあるものも全部フランジなんだよ。

形状はそれぞれ呼び名も含めて規格で定められているんだけど、それはまた別の機会にしよう!

第6話 継手の「継ぎ方」には種類があるよ

「管継手の接続方法」

一般的に広く使われている管継手の接続方法は大きく「ねじ込み式」「溶接式」「フランジ式」の3つに分けられる。

それぞれの接続方法に特徴があり、「ねじ込み式」であれば現場での作業が可能であったり、
「溶接式」は高い圧力が掛かるなどの悪条件に対応出来たり、「フランジ式」であれば、取り外しや交換などのメンテナンス性に優れているといったように、用途や必要な条件によって接続方法も変わってくる。

また、配管の経路内に様々な機器を取り付ける際は、機器ごとに接続方法が変わる事もある為、配管経路内に複数の接続方法が混在する事も多々ある。

必ずしも単一の接続方法だけでは配管が成立しないということを覚えておきたい。

今回は、大きく3つの接続方法が出てきたけど、普段目にする配管はほとんど3つの接続方法が使われているはずだよ。
今回出てきた接続方法の他にも「食い込み式」や「メカニカル式」「ハウジング式」なんて言われる接続方法もあるんだ。

もちろん、どの接続方法にも得意不得意な用途や条件があるから、「この接続方法なら何に使っても大丈夫で安くて簡単!?」なんて便利なものは残念ながら今のところは無いんだ。

その内、そんな夢の様な接続方法が出てきたら、もっと便利になるかも知れないね。

第5話 継手のカタチもいろいろ

「継手」

継手(つぎて)とは2つの部材を接合する構造の総称で、とくに配管に使用する継手を管継手(かんつぎて)と呼ぶ。
管継手は配管材同士を繋いだり、配管の向きを変えたり、分岐したり、広げたり、止めたりするために使用する。

管継手の名前は見た目からそのまま付けられたもの、用途でつけられたものがあるよ。
使い方も見た目からなんとなく想像できるんじゃないかな。
異径チーズやレジューサーなんかは配管のサイズを変える時に使われるから、出口と入り口でサイズが違うんだ。
名前の由来はこんな感じ!

チーズ⇒T字という意味の英語「Tee」から
エルボ⇒肘という意味の英語「Elbow」から
キャップ⇒蓋という意味の英語「Cap」から
レジューサー⇒減らすという意味の英語「Reduce」から

パイプと管継手を組み合わせることによって、決まったスペースの中で配管が収まるようにして、配管の設計図を作る人が組み合せを考えているんだ。

第4話 納品をお手伝い、継手の材質いろいろ

「配管材の主な材質」

一般的な金属の配管は大きく分けると2種類の材質、炭素鋼とステンレス鋼に分類される。
成分・製法によって同じ炭素鋼(ステンレス鋼)でも多くの種類があり、使用する条件や用途によって数ある材質から適正なものを選定する必要がある。

代表的な材質には以下のようなものがある。
炭素鋼…SGP、STPG、SS400、S25C、FCMBなど
ステンレス鋼…SUS304、SUS316、SCS13Aなど

炭素鋼とステンレス鋼の大きな違いはその耐食性にあり、炭素鋼よりもステンレス鋼の方が耐食性が高い。
基本的に炭素鋼は硬度、ステンレス鋼は耐食性で大まかに分類されている。
※耐食性とは腐食(錆びにくい)に強い特性があることを言う。

本編でも言ったけど炭素鋼はステンレス鋼と比べると安価で加工がしやすいんだ。
だから何回も交換するような場所にはよく炭素鋼が使われてるよ。
逆に、あまり交換できない場所や海の近くの錆びやすい場所等では錆に強いステンレス鋼がよく使われてるんだ。

ちなみに、一般的にステンレスは錆びないと言われているけど、「錆びない」わけじゃなくて、「錆びにくい」材質だから覚えておいてね。
炭素鋼とステンレス鋼を見分ける方法としては、磁石につくかつかないかで見分けられるけど、中には磁石につくステンレス鋼もあるから気を付けてね。

第3話 呼びならわしって色々あるね

「配管のサイズ」

配管のサイズには外径サイズごとに規格で定められている呼び径がある。
呼び径にはA呼称とB呼称があり、A呼称がメートル表記、B呼称がインチ表記となっている。

外径34㎜のパイプは25A(ニジュウゴエー)もしくは1B(イチビー)と表記する。
また、B呼称には通称があり1Bは「インチ」とも呼ばれる。

呼び径は配管用のパイプであれば基本的に全ての種類に適用される。

・配管サイズ表

1インチって言うのはホントはメートルに換算すると25.4mmなんだ。
最初は内径を基準にしていたんだけど、色々あって外径を基準にすることになったから実寸と呼称が違うんだよ。

現場で使われている通称はB呼称が基になっていて、それを基準として8等分で区切った呼び方をしているんだ。
例えば1/4Bは分母を8にすると2/8だから『ニブ』なんだね。

第2話 初めての同行営業、「ガス管」との出会い

「鉄パイプ(鋼管)」

パイプ、中でも鋼が含まれているものを鋼管と呼び、鉄パイプは正式には炭素鋼鋼管と呼ぶ。
配管用の鋼管にはいくつも種類があり、それぞれ規格として定められている。
正式名称とは別に規格・材質を現す略称も定められている。
いくつもの種類のパイプから流体の温度や圧力によって使用するものを選定する。

・配管に使用される主なパイプ

正式名称 略称
配管用炭素鋼鋼管 SGP(Steel Gas Pipe)
圧力配管用炭素鋼鋼管STPG (Steel Tube Pipe General)
高温配管用炭素鋼鋼管STPT (Steel Tube Pipe Temperature)

僕らの業界でパイプと言えば基本的には炭素鋼鋼管のことなんだ。 注文が来る時は略称で書かれることが多くて、例えば「配管用炭素鋼鋼管 1本」ではなくて「SGP 1本」といった感じで注文が来るよ。 現場では「SGP」のことを呼びやすい「ガス管」って呼ぶんだけど、これは「SGP」が「Steel Gas Pipe」の頭文字を取ったものだから「ガス管」と呼ぶんだ。 他にも現場で使われがちな呼び方もあるから、また紹介するよ!

第1話 配管って何だろう

「配管とは」

流体(液体・気体・粉体※)を目的の場所へ運ぶ為に設置するものの総称。または配管材、配管材料とも呼ぶこともある。
また、配管となる材料を取り付ける事自体を『配管』という場合もある。

※液体…水など、気体…酸素、蒸気など、粉体…小麦粉など
主な配管材としてパイプや継手、バルブがある。
「パイプ」とは筒の形をした流体を運ぶためのもの。
「継手」とは配管材同士を繋げたり、流れる向きを変えたり分けたりさせるもの。使い方によって使うものの形が違う。
「バルブ」とは流体を止めたり流したり、流れる量を調整するもの。使い方によって使うものの形が違う。

“配管材の種類は様々なものがあり使う目的や条件によって選定されるんだ。”
身近な所で言うと、水道管やガス配管などをよく目にすることができるよ。また、立体駐車場の天井もよくよく見てみるとたくさんの配管が張り巡らされていることに気付くと思うよ。
余談だけど映画やゲームなどで武器に使う鉄パイプの先端にはこんな感じで継手のエルボと呼ばれるものがよく付いているよ。 自分たちの周りの色々な場所で配管は使われているので探してみるのも面白いかもしれないね。